『塩の樹と森の人魚』 読後抜粋

 

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ダレカによって生かされることに嫌気がさしていた

誰かの時間や労力を奪ってしまう幼い自分が嫌だった

誰にも迷惑をかけず、自分の力だけで生きられるように

なりたいと強く思った

 

姉には、静寂というものが不可欠だった

水や食事と同じくらいに

 

みんなが信じたいこと、そうであればいいと思っている

物語とすり替わった

 

誰かが力強い声で言えば、真実のように聞こえるのです

 

知識は心をまもってくれる

 

ひとをばかにしていることもわからないかわいそうな人

 

不毛なことを考えている人に会うと

その人を取り巻く空気みたいなもの

あれが歪んでいると、私にとっては刃物みたいになるの

 

人生は有限だもの。

大切なものを大切にするだけで精一杯

だから私は誰かから与えられる痛みを捨てるの

自分で選んだ痛みなら、まだ抱きしめることができるから。

 

あの人たちは僕を1秒も孤独にしなかった

 

何をどうすればいいのかわからない中でも、思いつくかぎりの

ことをやろうとしている

 

意味不明の上下関係と権力構造、声が大きい、弁が立つ、外見が

人目を惹く、腕力がある、そういう頼りない条件に依拠した万能感が

僕らの中から対等という言葉を消す

 

戦ってはいけないものがあるってことが、やっとわかった

 

みんなに認めてほしいって目的。

すごいって言われなきゃ自分には価値がないと思っている。

その「すごい」 の根拠が、仕事の成功とか美人の妻とか跡継ぎとかで

あるというのは悲しいことのような気がした

 

闘争心に闘争心で返したら、もっとむごい形で、かけがえのないものが

喪われてしまった

 

本当の願いの声は小さく、ひっそりとうずくまって、大きな声に

すぐに埋もれる

けれど何より強くて、決して消えない。

泥の中にある一粒の真珠みたいに。

 

僕が自由になることは、周りの皆が僕から解放される事でもある

自活だけにこだわれば、また周りの人を置き去りにして、ゾンビになるくらい

恥をかくだけ

 

自分の中にあるものを言葉にできなければ、自分の気持ちを理解することは

できなかった

 

喪失に打ちのめされていたというのに、もう前を向いている。

強いな。こっこいいな。

 

憧憬を劣等感に変換しないのが僕の長所である

 

居心地悪くすごしている

耐えるよりは逃げたほうがいい

 

つらいなあって思うときは、いつも手を動かすの

 

僕が、早野を必要としているから

だから彼女の声は、僕の深い場所に届く