『彼女の背中を押したのは』 読後抜粋
腹の底から湧いてくる怒りを、どうやって消化したらいいか
分からない
そんな言葉を使われたら、傷ついた気持ちの行き場がなくなったしまう
努力だけで褒められるのは、子供だけ
どうしたって人は、自分に似たものに共感する生き物だ。
仕事中に他人に気を遣わせるほど機嫌が悪いって、社会人として
正しいのかとも言えるじゃない
言わないで後悔するくらいなら、言って後悔したい
傷を舐めあうように話した日々は、お互いを成長させなかったかも
しれないけれど、確実に必要だった
その日、その日を、やり過ごすために
自分と反対の人を否定することが、自分を肯定することに
繋がっていた
今思うと、顔から火が出る
好きな人に見せられる自分でいたい
誰かのせいではなく、自分のせいだと認めるのは、辛いけれど
どこか晴れがましさもあった
少なくとも他人のせいにしていた時より、罪悪感がない
顔色を窺って相手の意見に合わせるより、ずっと体力を使うけれど
その分、自分を嫌いにならずにすんだ
彼の幸せをあんたが決めるな!