『スズメバチの巣』 読後抜粋
ふたりに共通しているものは何もなかった
道徳的なことがらの多くは、いわば脅しだと
ウエストは昔から思っている
権力を乱用するのがいかに卑怯なことかわかっている
あなたに起こることは、わたしにも起こる可能性がある
そこから何も学ぼうとせず
人がずるいことをするからといって、正しいことをするのを
やめてはいけない
息子を後ろめたい気持ちにさせようとする
純真で礼儀正しく、謙虚で一途だ。
この種のひたむきな人間のこわさを、サーチは
よく知っている
正しいことをするつもりでおかした間違いは許す。
まちがいをおかしたことをだれかに話せば、それを許す
ほかの人が同じ間違いをおかさないように、自分の間違いを
人に話すならそれを許す
社会に何の貢献もせず、まわりの人を利用するだけ
ぼくはきみに報いることができなかったから、きみを罰した
自分の人生をだいなしにすることができるのは、自分だけ