『蛇の言葉を話した男』 読後抜粋
貪欲さは恐怖に打ち勝つから
新しい音を鳴らせるようになるのはワクワクすること
人間は、どんなに小さくても希望があれば生きていける。
何かがもう取り返しがつかなくなったという考えに
満足することは決してできない
彼らとぼくには何も共通の部分はないのだ
横柄に振る舞い、出合い頭にケンカを売るのは自分の
柄ではなかった
狂気は伝染するから
争うよりは藪に隠れる方を選んでいる
うんざりするのは作業そのものではなく、仲間の
些末な会話だった
「フランス版訳者による解説」
主人公が嫌悪感を表明するとき、それは、善悪の問題というよりは
好き嫌いの問題として描かれます
話が通じない悲しさ
過ぎていく時間と、眩暈のするような速度で変化する世界を前にして
私たちは皆インディアンであり、ある日彼らのようになることでしょう
自分の周囲にできるだけ被害を及ぼさないように生きるということは、
これらの避けがたい悲しみを受け入れることなのです
順応主義と愚かさがいつでも勝利するにしても、それに従うことなく、
幻想に満ちた過去の理想化ににげるのでも、憎しみにエネルギーを
費やすのでもなく、それは別の形の愚かさなのですから