『老い蜂』 読後抜粋
オンデマンド
利用者の要求に応じてその都度サービスや製品を提供する方式のこと。
知能が高い。
取りつくろうのも巧い。
だがその裏に、根っこの自己評価の低さが透けて見える
どす黒い悪意が渦巻いていた
人間の記憶は思いのほか改竄されやすいし、同じ話でも視点を変えて質問を重ねていくと、新たな事実が浮かびあがることは間々ある
尺骨遠位端(しゃっこつえんいたん)
この人おかしい、って。
話が通じない相手だって。
相手はまともな応答をしない
言葉に嘘の匂いがない
復讐をくわだてるほど人生を破綻させていない
自分の言葉を持っていなかった
経験があり、なおかつ感情を仕分できるだけの語彙と、概念を脳に蓄えてきた
自分の感情を分類できず、対処のしかたも知らなかった。
苛立ちにも、怒りにも、寂しさにも向き合えなかった。
自分の感情さえ、どうしていいかわからんというのはー。
想像するだに恐ろしい
犯罪の動機ってのは、大半が感情の爆発。
うまく伝えられずに行き違うせいで、溜め込んで溜め込んで、爆発させちまうんだ