『月下の犯罪』 読後抜粋
ある人がその人たる所以は、彼が何を持っているかではなく
彼が何を大切に思っているか、にある
過去に何が起こったかを語り続けることでしか、
それに決着をつけることはできない
彼の苦痛の叫びにも、彼の死にも心を動かされなかった
誰もが自分自身のことで精一杯で、本能だけで動いていた
ただそういうものにもう無関心になってしまった
メディアを支配しているだけでなく、戦後は
「模範的共産主義者」でありつづけた、というところに
ある
なにかやることがある、というのはよいことでした
過去は私に何を残したのか
まず息子を殴り、後でそれを否定する?
ひどい話です
その空虚さが僕をイラつかせるのです
考えるのをやめていた。人間として在ることを
やめていた。
何が起こっているか知っていたにもかかわらず。
それはハンナ・アーレントの有名な言葉『悪の凡庸さ』
ではないのか