『しろがねの葉』 読後抜粋

しろがねの葉

 

喜兵衛に寄りかかっていてはいけん、とウメは思った

生きる術を失くしてしまう。

あんな途方に暮れた顔をしたくはなかった

 

四葩(よひら)  紫陽花のこと

 

自分の身が守れんうちは、なんも知らん童っぱの顔をしとるがええ。

いざという時の切り札にとっておくんじゃ

 

柔らかく、弱く、なんも知らん顔をしておれ。

油断させるんじゃ

 

怖気は感覚を鈍らせ、闇のかたちを見誤らせてしまう

 

矛盾したことをしている己が恥ずかしかった