『ブルースRed』 読後抜粋

ブルースRed
 
人間の出来が良すぎてそれがあだになった。
父の血を引く娘の佇まいは、自ら敵を作らない気配に満ちていた
 
あの女の中身は悪意でできている
 
不細工が不満そうな顔をすると見られたもんじゃないって自分でもよく分かっていたのさ
 
問題は、そんなことにも思い至らずに自分にも運河回ってきたと勘違いできるこの男のバカさ加減
 
自分の歩く場所に不要なものを、何の感情も込めずに排除できる冷徹さは、誰にでも与えられた天分ではない
 
何よりもその低い感情の安定に信頼がある
 
勘で生きてきた人間の心を動かすのは、勘しかない