『すみれ屋敷の罪人』 読後抜粋

すみれ屋敷の罪人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

知識を得るのは楽しいし、知識を得ればいろんなことが

もっと楽しくなる

 

おまえが幸せでないことが、お父さまには何よりつらい

 

せめて救える誰かを救いたいと

 

恵まれた人間ゆえの鈍感な善意

 

苦しんでいる人のそばにいるのって苦しいじゃない

あたしの足はだんだんお屋敷から遠のいていった

 

抱えてきた秘密を打ち明けたかった

 

勝手な言い分なのは重々わかっているらしく、

気まずげに目を伏せる

 

人間が出す音には興味があるけど、人間そのものには

興味がないの