『悪党』 読後抜粋

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センスのいいブランド物のスーツが、本来持ち合わせているであろう

この男の粗暴さを包み隠しているのだろう

 

自分たちが犯罪に加担しているのだというリアルさが欠如している

 

自分が寂しい人間だと自覚しているから、坂上のことが憎らしく感じる

 

世を拗ねきって、何ものかを憎悪している目

 

文彦の怒りは筋違いなものだ

 

少なくとも私には同じ苦しみを共有できる両親がいた

 

悪党は赦してもらおうなどという七面倒臭いことは考えないし

求めないのさ。

だけど、悪党は自分が奪っただけ分だけ大切な何かを失ってしまうことも

ちゃんとわかっている

それでも悪いことをしてしまうのが悪党なんだよ