『ホーンテッド・キャンパス』 読後抜粋
彼らは怒りと鬱屈を抱えていた。
しかしながら周囲に伝えるすべを知らず、言葉を
持たなかった。
だからこその暴力だ。
暴力は彼らにとって”男らしさ”の象徴であると同時に
感情表現の方法なんだ
正しく発散されなかった怒りはくすぶり、いつまでも
心に棲みつく。
その結果、彼らは”理由もなくつねに苛々している、
怒りっぽい少年”になってしまった
悲劇しか生まない
福祉は不幸から救うことはできても、幸福には
してやれない
彼らは”男らしさ”をはき違えている
非行少年はたいてい語彙が少ない。
怒っていても、なぜ自分が怒っているのかを
説明できない
自分のつらさが認められなければ、当然他人のつらさだって
理解できまい
他人の気持ちを推しはかれないのは、自分の感情さへ処理
できないせい
なぜ自分が暴力に走るのか、その理由さへわからずに
ただ自分の価値観だ けで生きているだけなの。
そして、その感覚を共有できない人がいるなんて
想像すらしようとしない
いい人たちだよね
なんの得もないのに親身になってくれて