心にしみる言葉 『月桃夜』
誰かと話している、言葉を交わしている、という
実感がする
他人の碁に口出しするような輩は、首を切って
そこに乗せてしまえ
要するにそのくらいの覚悟を持て、といったところ
わきまえて振る舞えば、山の神様は守ってくれる。だが、ひとたび
勝手を通せば怖ろしいことになる
我の人生は無様なものであったが、おまえの糧となるならば
無駄ではなかったということだ
嘘をついたり無理を通そうという様子はまるでない。
価値観なのだ
卑しいごまかしをして生きろと?
言葉を殺すは神を殺すも同じ。それがどうしても人間には
わからぬようだ
山の神言葉は至極単純だった。だが、しかし
理解はしたくなかった
話の内容と穏やかな表情との落差に戸惑った
自分のあさましさにぞっとした