『漣の王国』 読後抜粋
神経回路は視床下部で発生する情動、すなわち邪念にたやすく浸食される
人間がこの世界でコントロールできるのは、随意筋だけ。
随意筋と脳を結ぶ回路を極限までに清める努力をする
脳と身体を契らせるものはただひとつ、無限の正しい反復動作だけ
五蘊皆空(ごうんかいくう)
人間界の現象や存在はすべて実体がなく、空くうであるということ。
人体の重心は臍下丹田にある
愚昧は罪
縵網相(まんもうそう)
手足の各指の間に、鳥の水かきのような金色の膜がある。 衆生を残らずすくい取ることができるように、という意味合いがあるそうです。
正しく反省する
自分を自分たらしめる、無数の懐かしい傷たち。
そのひとつも手放したくない
顔つきの卑陋(ひろう)さは無惨なほど
いやしいこと。下品なこと
猩々緋(しょうじょうひ)
臙脂(えんじ)色と区別するために付けられた色名で、色彩は赤みの強い赤紫色。
ジハードは本来、最大の努力という意味
他者と戦うことではなく、自分自身と戦うこと。
自分を正しく作り上げる行為こそが、真のジハード
精神の状態とは一切関係なしに、ひたすら重ね続けていける強靭な日課。
そういうものが何か欲しい。
朝に夕にひたすら反復することで、魂を整え、わたしを少しだけましなものに変えていく、ささやかな修練(トレーニング)。
自己の感情から毅然と距離を置いて、祈りの動作を愚直にくり返している
犬矢来
見られずに見ることはなんと自由なのだろう
平安京最古の史跡、神泉苑。歴代の天皇が行幸された宴遊地で、弘法大師空海が雨を祈った霊場でもあります。
恩寵
その場かぎりの軽薄な会話も心身を疲弊させる
洋の東西を問わず、道を行く者の前には、魔物の類が現れて誘惑を試みるものだと昔から決まっている
自分の天運についての根本的な自信の無さが、瑛子自身も気づかない枷になって、彼女の羽化を妨げている
禍福は均等
陰陽は常に平衡している
無動寺谷(比叡山)
無動寺谷(むどうじだに)は、延暦寺の東塔地区にある5谷(無動寺谷、東谷、西谷、南谷、北谷)の一つです。この無動寺谷にある「無動寺(むどうじ)」は、千日回峰行の拠点となる寺院です。東塔の5谷にある塔頭ではありますが、別格の格付けとなっており「叡南(えなみ)」「南山」の別名があります。無動寺の伽藍としては、明王堂・建立同上・大乗院・法曼院・弁天堂などがあります。本尊は不動明王であり、近畿三十六不動尊霊場第26番になっています。
5谷の一つということで東塔地区の中心部からやや離れており(やや不便)、ケーブル延暦寺駅から無動寺谷の無動寺明王堂までは徒歩12分(参道を650メートル)、延暦寺バスセンターから徒歩30分(1.5㎞)です。