『花は散っても』 読後抜粋
変わることは怖いから。
とても大きなエネルギーを必要とするから。
贅沢がしたいわけじゃないの。
しみじみと胸に染み入るような美しさを
ただ愛したいだけなの
わたしが大事にしたいのは、まさにこのレースのようなものよ。
実用のためならば、べつになくったって困らない。
だけど、ないと味気ない。
人の心にもきっと、レースの縁取りが必要なの
変だわ。こんなことにいったい、なんの意味があるのかしら
あらゆることに気づかないふりをし続けて、本物の
鈍感になってしまった