『不協和音』 読後抜粋
自分の悲しみと向き合っておかないと、何もかもが
大きくなりすぎ、手に負えなくなってしまう
わたしたちの役に立とうと思ってやったことだけど
本当は人の許可を得ずに勝手にこういうことをしては
いけないのだと
表面的な明るい正しさと、奥にある悪意の底知れなさとの
ギャップがおそろしい
強烈に動揺させる
誰しも、相手に一矢報いたいという気持ちを持つものだろうし
それが功を奏すれば胸がすくような思いがするであろう
しかし同時に、一抹の後ろめたさが残るものでもあるだろう
とはいえ、世の中にはこのうしろめたさをまるで感じない
人間もごくわずかながら存在する
それが、サイコパスと呼ばれる人たちである
基準を外部に求めないので、対話はもちろん平行線に
終わる
むしろ、対話からこちらの弱点を探られ、攻撃の
足掛かりにされる
まともに組み合って勝てる相手ではない
守るべきものを持っていないから、捨て身で
こちらのダメージを狙ってくる
サイコパス独特のグロティスクな自己認識と
他者をモノとしてみるその特徴的な視点の
ぞっとするような冷たさとどう対峙していくのか