『僕は偽薬を売ることにした』 読後抜粋

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人生とは、分からないことを分かることに変える

旅路

分かるに先立ち、分からないに遭遇

分からないものだらけの世界への恐怖に大声を挙げながらも

勇敢かつ愚直に試行を繰り返し、分からないから分かるへの

転換を進める

分かるとは、ストレスの解消であり、恐怖や不安からの

解放であり、快感

分かるとは、判断できない状況を脱するために惹起される

否定的な感情が解消されたことに起因する、快感の言語的

表現(p60)

 

健康とは何か。

この問いを純粋に主観的なものとして、我こととして

捉えること。

最終的な判断を外的規範に依存せず、客観的数値を判断材料の

一つとして劣後させ、感覚を優先すること。(111)

 

依存状態にある場合でも、心の拠り所となっているであろう

くすりを無理やり奪ってしまうような方法は避けるべき

効果がないゆえに副作用の心配があまりない偽薬で置き換え

ることができないか、検討してみる(117)

 

正しさを主張して混乱が生じるくらいなら、いっそ客観的な

事実はさておき、「まだ飲んでない」との言葉に寄り添い

改めてくすりを飲んでもらう。

ちょっとした嘘の介在は予想されるけど、人間関係を

潤滑にする嘘の効用を積極的に利用してみる(118)

 

悪意とも解釈できる騙しという行為によって穏便に

解決する問題があると信じる(119)

 

認知症の方の精神世界に寄り添い、嘘を利用して双方の

ストレスを軽減する(119)

 

双方に害のないことがあらかじめ保証されている場に

おいては人を欺き騙すことが積極的に歓迎される

介護もまた、そうした場になり得るのではないか(120)