『夜汐』 読後抜粋

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本気でなにかをやろうとすりゃ、誰にもそれは止められねぇ

 

欠点ってのは裏を返せばその人そのもので、男も女も

そこを愛してもらいたがっている

 

邪気のない、真新しい世界が開けていくようなあの笑みが

 

いつまでも悲しみの餌食にならず

 

どうあっても汚されないものを持っている。

そういう人はたとえ狼を見かけても、それが狼だとは

分からない

 

人って生きてても死んでることがあるし、死んでても

生きてることがある

 

ちゃんと人の話を聞く奴には、相手に礼を尽くそうという

気構えがある

 

客を喜ばせようという気持ちがうれいい

 

その魂魄が受けるべき永劫の責め苦がこれから始まる

 

エサは食うくせに、主には逆らう。

この世でなにがつまらぬといって、そのような手合いに

踊らされるのが一番つまらん

 

他人の領分にずかずか踏み込んできては・・・・。

それが皆を閉口させた

 

妙な説得力があった。

それはおそらく二心がないため

 

逃げ道をすっかりふさいでから、欲心をひとつひとつ

小出しにしてくる

 

嘘だらけの人生で一度くらい誰かを守ってみたかった

 

人間というのはましな部分、善良なから燃えていく

 

なにかの高みにある奴ってのは、俺にゃ見えねぇもんが

見える

 

あの女には客の触れてほしくないところに触れないだけの

分別がある

これ見よがしな陰をつくって同情を買おうとしないのもいい。