心にしみる言葉 『湖の男』 ヨーロッパミステリー大賞、バリー賞受賞

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あいつに夜中でもおれの家まで電話してもいいと思わせたくないんだ

 

恐怖の臭い

 

彼の言葉を聞いて、ああ、もっともだ、ああ、そのとおりと

言って慰める人

 

何を求めているのか理解できなかった

 

あの人にわたしのことを決めさせはない。絶対に

自分のことをどれだけ偉いと思っているのか

 

あの人、悪いのはわたしだと決めつけるのが得意なのよ

 

忌々しい嘘が。

 

あまりにも近づきすぎるとかんじられるときに唯一

できるのは、でたらめな情報を与えてわけがわからないようにしてしまうこと

 

内容のない社交辞令はもうこのへんにしたいと思っていた

 

嘘だけはダメだ

 

ライプッヒで見た社会主義システムは嘘の塗り重ねだと確信した

 

自分を正当化できず、良心の痛みを感じた

 

小さい集まりで特定の人の悪口を言い、仲間割れをさせるということ

 

お前は人の面をかぶった悪魔か?何がお前にそんな・・・・・

バケモノのような態度をとらせるんだ?いったいなんなんだ?

なんなんだ、その絶対的な支配者の態度は、その侮辱的な

態度は、その悪意は

 

わたしはロータスのような愚か者に自分の運命を決められたくないわ

 

あの子自身がなんとかしなければ、他の者ができることなど

限られている

 

その怒りはどこからくるの?

 

同僚が人の家に来て、偉そうにレクチャーをしているなどと

思いたくなかった

 

彼女と一緒にいると体の中から力が湧いてくるのだ

 

もしかするとそのために

彼と一緒にいると気分が落ち着くのかもしれない

彼は無理をしない人

 

密告システムは社会主義とは何の関係もない。

それは権力をうしなうことの恐れだろう

 

わたしは東ドイツで見た社会主義はナチズムの継続だと思った

 

一番嫌だったのは個人的な密告だった

 

わたし、彼は好きじゃなかった。近くにいてほしくない

人だったわ

 

おれの部屋まできて、説教するつもりか?

そうする権利があるとでも思ってんのか

 

どうしようもない嘘ばかりの男なのか