『作りおき薬膳』 秋
空気が乾き始める季節
「肺」に不調が出やすくなります
鼻や口の粘膜が乾燥するため、ウイルスが侵入して
風邪や気管支炎などを引き起こしやすくなります
潤いを好む肺は、気・血・水のめぐりも促すので
血液循環や水分代謝も悪くなります。急に冷え込むと
汗腺が閉じて体内の水分調節もうまくいかなくなり、
咳、痰、ぜんそくなどの症状が表れやすくなるのです。
肺や呼吸器を、乾燥した空気から守るためには、肺を
潤す作用のあるイモ類や、キノコ類、根菜類を食べると
よいでしょう。これらの野菜は、冬の寒さに耐えるための
滋養を蓄える力もあります。
レンコンには体液を補って咳を鎮める働きが、ヤマイモは
滋養強壮に最適で、里芋の辛みは、閉じた表皮を開いて
汗を排出する作用にすぐれています
秋は甘みを持つ野菜が多いので、塩や酸で味のバランスを
取ることを心がけましょう
「五味」
「酸」 筋肉や粘膜などを引き締め、汗や唾液に作用する
「甘」 緊張を緩め、痛みをやわらげ、味の調和をはかります