『出身成分』 読後抜粋
かってのように悪意が感じられるというだけで
告発の対象にはなりえない
きみは被害者じゃないか。
傷ついたんであって、傷物なんかじゃない
冷遇しておいて、逃がしもしない
弁明に必死だが、罪悪を感じているようすはほとんどない
不満はわかる。
だが理解は求めない。
保安署も人民班も、それらを取り巻く社会も、すべて
無秩序で利己的すぎる。
なにひとつ信用できない。
必死でした。
自分の人生が意味を持つためにも
人として信念を曲げてまで、何のために生き延びようと
するのだろう。
自分にとってどうしようもなく正しいことだ。
ほかの生き方など選べない。
性被害の苦しみに共感してくれるひとだと