『方丈の͡孤月』 読後抜粋
救いがない。
報いへの怖れも、恥じるお気持ちもないとは
その場にふさわしい言動ができる者しか、相手にされぬ。
受け入れられぬ。
心の奥底に巣食っている鬱屈と悲痛を吐き出してしまわねば
先に進めぬところまで追いつめられていた。
定期的に援助している者もいるが、それをことさら
言いたてる無粋な輩はおらず
ひたむきに生きよ。
自分自身にも他人にも真摯であれ。
時流に流されることなく、たとえ時代遅れになっても
おのれの信念を貫きとおせ。
書き記すことで、わたし自身がおのれのこしかたを
振り返ることにもなっている。
こんな場面で対抗心をむき出しにするとは、
なんというおとなげなさか。
感じずともいい他人の気持ちを察してしまえば、
その分自分が苦しみを抱え込む。
冷静な判断ができなくなる。
人真似は卑しい。
ご自分を貶めるだけです。
因果応報ってやつだから、黙って受け入れる。
それでおあいこだ。
包み隠さず、驕らず、高ぶらず、ただ淡々と書く。
この世の楽しみは心を慰めるのがいちばん。