『メビウスの守護者』 読後抜粋

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岩楯の感覚とはかなりのズレがある

 

自分の立ち位置と精神が未だに一致していないらしい

 

見た目の無害な穏やかさとは裏腹に、自分の意見を

押し通す強引さをもつ男

 

人の命を奪った罪悪の念が感じられない

 

なんでも許してくれる母親の代わりをは探すなよ

それをやると自滅する

 

ある種の精油成分は、がん細胞を自然死に誘うことが

わかっている

 

生き方に迷いのないちづるに興味が湧いた

 

全員を納得させられる根拠と倫理性がいる

 

人に安心感を与えられる人間というのは

それだけで貴重だ

 

話をすり替えるな

 

幼稚な万能感に酔ってるんじゃないぞ

 

共感を得たことで気をよくし、さらに口が

滑らかになった

 

だれにもぶつけようのない人生の鬱憤を、都合のいい

正義として吐き出すただの排泄行為

 

認めてくれる人だけで周りを固めれば、自分を守れる

堕落するけどね

 

そうだね。でも、頼んでないんだよ

 

互いの意思を通わせないまま、一つの殺人事件に

絡んでいる

 

今までに見せたことのない憎悪に満ちた形相を

している

 

不必要に個別性を重んじ、凡庸を低く見るタイプの

人間

 

率直に向き合い、激しいけれども情のある意見も

している

 

なんらかの感覚が麻痺し、やったことのおぞましさを

認識できていない節がある

 

 

燃えたぎる情熱の裏側に垣間見えるのは、背筋を

寒くさせるほどの非情さ

かかわる者を取り込んで、知らぬ間に支配下に置く

 

人間性を完全に無視して殺したのか

ただ香水を作るためだけに、無駄なく素材にした

人間として見ていなかった

 

より大勢を汚すことで、俊太郎の心が満たされて

清められると信じているんだろう

 

『〈香り〉はなぜ脳に効くのか』