心に沁みる言葉
たいていの人は自分の考えを認めてほしいだけだ。
結婚かプライドか、どちらかを選ぶしかないの。
口調に毒気が含まれていた。
過激な暴力を振るうことが問題解決の手段として
許されると考えた時点で、その人間は文明人と評価される権利を
失う危機にあると言いたいね。
国家が暴力を政策実現の手段として考えるとは、何世紀にも
わたる知性の進歩を否定することに思えるね。
『霧の島のかがり火』
司令塔となる将校を失うとパニックを起こす。
この点も兵士自身が思考を持たないことに起因する。
稚拙に過ぎる仕打ちだが耐える以外にない。
己の行為の意味を頭から締め出し、ただ機械的な作業に
のみ没頭する。
それが心の崩壊を守る唯一の手段にちがいない。
近所に胸が張れる、その喜びと安緒に浸ってばかりで、
惜別はまるで感じられない。不快なほど率直で無邪気な
情動だった。
親睦を深めなかったおかげで、特にひきずるものもない
妙にさばさばした、乾いた感覚だけが残った。
戦争の中にあっては、正しい答えは否定されます。
でも正しいものは正しいんです。
いいわけしないで生きることが、本当の強さかもな。
そんなふうに教えられた気がする。
人は必要とされてこそ生きられる。
『八月十五日に吹く風』