『R・Sヴィラセニョー』を読んで
人間の生活にはどこか赤がないとダメだわ。
視界も目もたるんで無意識の緊張や心の張りを失う
平凡な空間を美しく壊してくれる色は赤が一番
美と明るさがもらえる
人はひとつ恵まれると、ひとつ失うようにできているのかもしれない
立ち向かえば手に入る大きな可能性や美しい世界を夢見ない
尊い目的のための労苦を面倒がる。
人ひとりの生涯に憎しみほど深く根を張るものもない
ほかの喜びや充足を押しのけて成長する。
たとえ、それが正当な憎しみであっても人生の
栄養にはならない。
そう頭では分かるものの、この感情を説得する力を
並みの理性は持たない
乙川 優三郎